旅と風景、ときどき列車

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夜行特急に生まれ変わるE657系、ブルートレインの記憶を継ぎ2027年春デビュー(JR東日本プレス)

2025年6月11日、JR東日本から発表されたひとつのプレスリリースが、静かに、しかし確かに鉄道ファンの心を揺らしました。
それは「E657系を改造した新たな夜行特急列車を、2027年春に導入する」という内容です。

E657系といえば、現在は常磐線の特急「ひたち」として活躍している車両。
今回の発表では、その1編成を大胆に改造し、全車グリーン車の個室タイプとする計画が明かされました。

E657系──毎日の風景の中にある車両

正直に言えば、私はE657系を特別に好きなデザインの車両だとは思っていません。
ただ、特急「ひたち」が品川駅まで乗り入れていることもあって、平日は何度も目にする車両です。

自分が実際に乗車したのは、常磐線の震災区間が全線復旧したときのこと。
そのときに、仙台から東京までをE657系で乗り通したのが唯一の体験で、写真もスナップ程度の1枚しか残っていません。

毎日見慣れていたE657系が、全室個室の夜行特急としてリニューアルされるとは、思ってもいませんでした。

◆夜汽車の記憶を呼び起こす、ブルートレイン風の装い

外装は、かつての夜行寝台列車ブルートレイン」を意識したデザインになるそうです。

私にとってブルートレインは、
夜の静けさ、車窓に揺れる町の灯り、遠くへと向かう列車のゆったりとしたリズム──
そんな記憶と感情が、いまでも胸の奥に残っています。

今回の夜行特急は全室個室ということで、室内の照明を落とせば、夜でも静かに車窓を楽しめる空間になるでしょう。
たとえば、持ち込んだお酒を傾けながら、日常とは異なるリズムで流れる夜を過ごす──
そんな時間の使い方ができるのも、夜行列車ならではの魅力です。

旅の終わりに乗れば、個室の静けさのなかで旅の記憶をゆっくりと思い返すことができる。
往路であれば、始まったばかりの旅への期待や、日常から離れていく高揚感を味わいながら眠りにつく──

私にとっての夜行列車は、単なる移動手段ではなく、
その間に流れる時間と感情を、ゆっくり味わうための旅そのものなのです。

北斗星」の最高級個室だったロイヤル

◆すべて個室、そして“ラウンジカー”の導入

今回の夜行特急では、全車がグリーン車扱いの個室になるとのこと。
1人用から4人用までの個室が用意され、特に1人用個室が多く設置されると予想されます。

食堂車は連結されないようですが、その代わりに1両まるごとのラウンジカーが組み込まれるそうです。
寝るだけでなく、起きている時間も楽しめる──そんな「余白のある移動」を体験できるのは、今までの特急列車にはなかった魅力かもしれません。

ただし、シャワー設備は設けられないとのことで、長距離の夜行列車としては少し惜しい気もします。

◆最後のブルートレインから、もうすぐ10年

2015年8月、「北斗星」がその歴史に幕を下ろして以来、
日本における定期夜行寝台列車は、サンライズエクスプレスだけになりました。

もちろん、JR九州の「ななつ星」のような豪華列車は存在します。
ですが、あれは“列車に乗ること自体が目的”のクルーズトレイン。
私の思う「夜行列車」とは、もっと日常の延長線上にある移動の選択肢です。

だからこそ、このE657系改造の夜行特急には、もう一度、寝台列車が戻ってくるという象徴的な意味を感じています。

◆定期運行で、スマホで予約できる、そんな列車を望む

運行エリアは「首都圏〜北東北」が予定されています。
私は、イベント列車のような不定期運行ではなく、定期列車に近い運転頻度とルートでの運行を望んでいます。

例えば、首都圏を夜20時ごろに出発して、盛岡なら朝7時頃、青森なら9時頃に到着するような運行ダイヤ
ビジネスでも観光でも、「寝て起きたら目的地にいる」という実用的な夜行列車になってくれたら、それは本当に嬉しいことです。

さらに、チケットは「えきねっと」でスマートフォンから簡単に購入できる仕組みにしてほしい。
そして運賃は、新幹線+ホテル1泊分くらいの価格帯で、現実的に選べるものであってほしいと思っています。

 

そんな列車が、日常の選択肢として、もう一度戻ってくる日を、静かに楽しみにしています。

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